切り捨てた小指が疼く 約束が追いかけてくる 夏はこれから


鼓動

透き通る白い肌とその奥にある青い血管を眺めていたら、その上下する喉に行き着いた。喉元にはじとりと滲む汗、しかし彼女が太陽を睨みつけた瞬間それは空に散ってしまった。

夏はいい。一枚、また一枚と脱ぎ捨てられる服。
夏はいい。照りつける太陽に反射する肌。
夏はいい。生のエネルギーが覆い隠す終わりの予感。

私はただその鼓動に口づけがしたくて、じっと様子を伺っていただけだ。
夏が邪魔をする。