1・2・3 始まる音と1・2・3 終わりは共に現れては消え


まずは何もかもを見透かしたような瞳、
次に物欲しげに彷徨う唇、

最後に規則正しく滑らかに動く、左手。

***

「君、彼女はいるの?」
「どうしてそういうこと、聞くの?」
「聞いたら駄目だった?」
「いや、いるけど、どうして?」

イメージの相違と崩壊は、わたしの願望のど真ん中を撃ち抜いて、粉砕する。
あまりにも異性の影を感じなかったものだから、てっきり、わたしは。

***

一つ、君なんて要らない。
二つ、君になんて触れたくない。

三つ、「さようなら。また明日。」